世界は愛で満ちている-映画『The Wiz』の思い出
姉と話していて、地元・八王子の牧場「磯沼ミルクファーム」が「高尾山と並ぶ東京の新たなデスティネーション(旅行目的地)」を目指すべく、2022年10月にオープンカフェの開設を計画していることを知りました。
磯沼ミルクファームは、八王子市民に親しまれているスーパー銭湯「竜泉寺の湯」からもほど近いところにあります。
ネットサーフィンが趣味の姉は、その付近に「南の魔女の家」というカフェがあるのをほどなく発見。
時々カフェ 南の魔女の家|週3日しかOPENしない隠れ家カフェ
それで「南の魔女の家があるなら、北の魔女の家もあるんかね〜」と言っていたら実際にありました。
こちらは弘前にあるビーガン料理店らしいです(行ってみたい)。
この「〜〜の魔女」というのは何が元ネタか? というと、おそらく『オズの魔法使い』の魔女じゃね? と話したところで思い出されたのが、ブロードウェイのミュージカルをもとにした映画『The Wiz』です。
前置きが長くなりましたが、今回はそれにまつわる思い出です(※以下、ややネタバレありなので、「これから観よう」という方はお気をつけを)。
* * *
映画『The Wiz』は1978年公開。『オズの魔法使い』をALLアフリカン・アメリカンキャストでミュージカル化した作品の映画版。ダイアナ・ロス、マイケル・ジャクソンなどの豪華キャストも魅力的です。
DVDが販売されているほか、Amazonプライムで字幕版・吹替版ともに視聴が可能です→こちら
映画の公開はわたしが生まれる前、さらにわたしは洋楽にめっぽう疎いので、普通だったらこの映画のことを知るよしもなかったんですが、人生においても思い出深い一作となったのは、高校のときに留学していたアメリカの高校の演劇祭で上演されたのが、この『The Wiz』だったから。
あっちの高校でスゲーと思ったのは、メインキャストを張る現地同級生たちが、どの子もみなプロ級に歌・演技がうまかったこと。
ドロシー、カカシ、ブリキ男などなど主役級キャラのほとんどは、スポーツも勉学もできて、社交的で、おまけにかわいい&かっこよくて〜みたいな絵に描いたような学校の人気者みたいな子たちが占めてたけど、ふだんは大人しい感じの同級生の子たちが、ライオンやオズの魔法使い役で朗々とした歌唱や演技を披露していたのもかっこよかったです。
上演当日は地域にも公開でやるんだけど、有料のチケット制で、学校のオーケストラも出演してBGMが生演奏だったのも本格的でした。
わたしも留学生仲間と一緒に、小人種族マンチキン役でちょこっと出させてもらったりもしました(*ノωノ) いい思い出。
* * *
『オズの魔法使い』といえば、ジュディ・ガーランドがドロシーを演じた1939年公開の映画があまりに有名ですが、新しいほうの『The Wiz』にも新たな息吹がこめられていて、サウンドトラック(↓)で素晴らしい歌の数々を聴くたびに、そのメッセージ性に心を打たれます🥺
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とくにそれが強く出ているのが、エンディング。
映画『オズの魔法使い』では、ジュディ・ガーランドのドロシーが「There is no place like home(家みたいな場所はほかにはない)」と三回唱えて、魔法の国オズから故郷のカンザスに帰ります。
対して、『The Wiz』では、ダイアナ・ロスのドロシーが、フィナーレの「Home」でこう歌います。
Living here, in this brand new world
https://www.azlyrics.com/lyrics/dianaross/home.html
Might be a fantasy
But it taught me to love
So it’s real, real to me
And I’ve learned
That we must look inside our hearts
To find a world full of love
Like yours
Like mine
Like home
「このまったく新しい世界での暮らしは
空想だったのかもしれない
でも、それはわたしに愛することを教えてくれた
だから、わたしにとっては現実なんです
わたしは知った
心の中に目を向けなければならないと
あなたのように、
わたしのように、
我が家のように、
愛に満ちた世界を見つけるために」
もうマジでこの歌詞はなんど聴いても感動する(涙)書きながら泣いてる(笑)
『The Wiz』は、「家よりほかに良い場所はなし」ではなくて「あなたの内にこそ、愛に満ちた家はある」「あなたが愛を見出せば、あらゆる場所は家となる」というお話なんですね😭
これはもう絶対、脚本家や作詞の人、心理学か精神世界やってただろう!(笑)
この映画で、南の善き魔女グリンダがドロシーに教える「家に帰る魔法」も、「あなた自身を信じなさい(believe in yourself)」という言葉だもんね。
ちなみにこの「Home」という曲は、ドロシーがオズの国に迷い込んで不安でいっぱい・・・という映画の最初のほうでも使われていて、そこからの心境の変化がまた、このフィナーレにおける感動を増しましにしてくれています✨
ほかのレパートリーも人の弱さや葛藤に寄り添う感じのものが多く、映画全体がセラピューティックにも感じられます🍀
かと思うと、超ノリノリの愉快な曲も多くて大好き💗 特に、西の魔女の不機嫌ぶりぶりなゴキゲンソング「No Bad News」は必聴です。
2時間14分の最高のエンターテイメントとなっているので、ぜひぜひご覧になってみてください😉❤️
*おまけ*
うちにあるオズの魔法使いの本(↓)。