【読書録】亜宗教-オカルト、スピリチュアル、疑似科学から陰謀論まで
『亜宗教--オカルト、スピリチュアル、疑似科学から陰謀論まで』
中村圭志・著
インターナショナル新書、集英社、2023年4月刊行
おもしろかった(*´∀`)❤︎
欧米Z世代では無神論化が進んでおり、亜宗教をめぐる社会構図も様変わりする可能性が十分あるとのこと。
何十年後には、確かに、宗教をめぐる議論もぜんぜん変わってるかもしれないな〜
未来のことは誰にもわからない。亜宗教の歴史から学んだことは、ひとつの文化勢力はいつも突拍子もないところからはじまるということだ
この「突拍子もないこと」とは「少女のたてたラップ音や飛行物体の勘違い」など。 18C半ばから欧米を席巻した心霊主義もフォックス姉妹の「霊との交信」から始まった。 それがめぐりめぐって、昭和の小学生もやってたこっくりさんに繋がるとは味わい深いです(うちの地域では「エンジェルさま」という名前でおこなわれていました)。
補章で触れられていた、欧米/日本人の世界観の違いとして「終末意識の有無」も興味深かった。
日本の仏教、神道などではいずれも時間は円環的に回帰するものだが、キリスト教はそもそもが終末待望から生まれた宗教。ファンダメンタリズム、UFO信仰、ニューエイジ、近年の陰謀論にも終末意識は絡んでいるとのこと。
でも日本にも終末意識はないわけじゃなくて、弥勒信仰とかその一種なんじゃないかな〜と思ったり。 あと、終末じゃないけど、預金封鎖や金融崩壊をある意味待望して、その後にくる新たな世界に期待する…みたいのにも相通ずるものを感じる。
19世紀から現代に至るまでのオカルト&スピリチュアル思想の系譜を概観するのにとってもGOODな一冊です⭐️